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吉翆苑 エントランス改修工事

リノベーション

去年の暮れにプラザホテル吉翆苑さんのレストラン前の空間をリノベーションするお手伝いさせていただきました。

10年前に改装したレストランの前に居酒屋カウンターの空間と飛び地の小上がり、その前に前室の様な少し暗い上手く使用できないスペースがあるので、この辺りに手を加えて、レストランの利用が増えるようなイメージの改修工事。

現地を見せて頂くと、レストランは白を基調とした明るい雰囲気で朝食バイキングや家族での食事がしやすい空間になっていました。

ただ、そこに至る動線がいくつかの空間を挟んでいる事で、お店に入りづらい雰囲気を出している印象でした。

エントランスからレストランの入り口を見る
奥のレストランまでが少し遠い

また、居酒屋カウンターは暖簾で仕切られていて、同じレストラン内にあるけど別のお店の様な扱いになっている印象でした。

レストラン側からの視点

これは、居酒屋カウンターの居心地や使われ方を理解しないとと思い、数人で食事をしに行くことにしました。

食事をして感じたのは、 奥の白いレストランとは違った居心地の良さ。

落ち着いた照明やしつらえ、横並びの座席は、ビジネス客も多い吉翆苑さんの特徴である、お一人様客の受け皿になるし、旅先で初めましてでお話しするにはお互いに正面を向く関係性は話しやすい。

女将さん曰く、常連さんがちょい飲みにいらっしゃったり、濃いお客さんの情報交換の場になっていたり、先代の社長さんが角に座ってお客さんの声を聞いていた、ホテル側とお客さんのコミュニケーションの場になっていたりと、とても大切な場所である事がわかり、この場所はこのまま残す方が良いと感じました。

通路を挟んだ小上がりも、戸を閉めて静かに話をしたい人や、逆に他のお客さんを気にせずわいわい過ごしたいお客さんに対応できるような、こちらも大切な場所。

そんな中、ヒアリングで社長さんが言っておられた、

「カッコいい空間はよくあるが、そういうのではなく、色んなテイストの混ざりあったミクスチャな感じに魅力を感じる」

という言葉とこの場所はとても合っていると感じ、全体を統一させて整理するのではなく、あえてこのゴチャッとした空間を、全く違った別の異質な空間からアプローチさせると適度にまとまりそう。と考え、

少し薄暗くて天井の低いトンネルで繋ぐ提案をさせてもらいました。

トンネルって薄暗くてドキドキするけど、抜けた先の景色をドラマチックにしてくれる良い引き立て役な気がします。

、、、関係ないけど、現在、夜中1時なのですが、文章を書くのが下手なので、何度もトンネル抜ける話を書いては消ししているうちに、ボ・ガンボスが脳内再生されはじめ、先ほどからyoutubeでトンネル抜けてがエンドレスリピートです。

足元には、元あった植栽帯を再利用しつつ、本物の土を入れて植物を植えています。水やりや日光などの問題を解決できるようにプランターごと移動できる仕様は庭・楽遊の河辺さんの素晴らしい提案!おかげで適度に圧迫感が緩和されてとてもいい感じになりました。

トンネルの赤土色の壁は、吉翆苑のスタッフさんと、京都市内のインテリア末永さんで塗装のワークショップをしていただき、塗り方を教わってからみんなでポーターズペイントを塗りました。

たまたま体験用の塗料がピンクだったのですが、この色のバランスかわいかった。

本番の塗装は1筆目を田中社長にしてもらいました。

あえてムラを出した仕上がりでざらざらした面白いテクスチャーの塗装なので、是非触りに来てください!、、、決してあら探しはしちゃだめですよ!

また、エントランス横のラウンジも色んな方に利用してもらいやすいように、明るく開放的な空間にリノベ

トンネルとの間を隔てる壁はぶち抜きます。

分煙の関係で不要になった喫煙所は破壊。

コロナ禍で需要の高まる 在宅ワークやテレワークに利用してもらえるように 細かく分けつつ、向き合わないワークデスクには観葉植物を置けるようにして自然なソーシャルディスタンス。

各座席にはもちろんコンセントがついています。

婚礼や宴会、企業の会議等、2階の宴会場は様々な利用があるので、ラウンジ利用や、吉翆苑に来たお客さんがほっと一息つける場所にもなればいいなと思っています。

ここの利用をした人が、トンネルを眺めて、次はレストランで食事してみようって思ってくれたら、なお嬉しい。

今回の工事は短期間かつ、営業をしながらという条件でしたが、きれいに施工してくださった大村工務店さん、本当にありがとうございました!

レストランは丹後の食材にこだわった料理や酵素ドリンク等とっても美味しかったです!宿泊客以外の方も朝食バイキングが利用出来たりするので丹後の方も1度食べに行ってみてください!